今回の件の依頼主であるソフィアとの話を切り上げ、俺はエリスと共に謁見の間を後にした。
エリスが謁見の間の大きな扉を閉めるのを確認すると、俺はエリスへ視線を向けながら口を開いた。
「先生と呼ばれていたが、家庭教師でもやっているのか?」
「そんなところだな。……です」
大まかには肯定したエリスだが、細かくは何か少し違いそうだ。
「役職で訊いた方が確実か。役職は?」
「む、言いづらいことを……。だが、お前が相手ならばいいか。アタシの役職はサラーム公国裏顧問。要するに、国王の裏側に居る城内だけの影の権力者だ。です」
「全然家庭教師じゃないだろ、それ」
城の中でしか通用しない影の存在とはいえ、国王と同等な権力を持っておきながら家庭教師とは意味が分からない。
「城に居てもアタシにする仕事があると思うか? ……ますか。何も無いならソフィアの相手をしているのが一番面白い……です」
「それで色々教えるようになって先生と呼ばれるようになり、気が付いたら家庭教師のようなポジションになっていたわけか」
最初のコメントを投稿しよう!