できたてほやほやDICK LICKERS

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できたてほやほやDICK LICKERS

 わーは、お気に入りのpumaの黒いジャージにスキニージーンズをロールアップにして、ソールに釘をわざと打ち付けた14eyesのマーチンの古ぼけたブーツを履いてベースを抱えて出掛けた。  マフラーをしてきて正解だったが、さすがに12月ともなると、それでも寒かった。  意外と熱血漢なわーは、気合いでどうにかなると、そのままの格好ではや歩きで目的地に向かう。  動き出せばなんとかなる!気合いだ!!と心のなかで叫んでみた。  待ち合わせの場所まで歩きで40分程掛かるが、今日はこれといってやる事もなく、家でぼけーっとしているのも何だったから、早めに出て歩いて出かける事にした。  途中コンビニに寄ってホットカフェオレを買って手に持って手を暖めた。  そして、キャップを外して半分飲むと体が暖まった。  ほっとして息を吐くと息が白かった。  今年はいつ雪が降るだろう。  クリスマス辺りに降るだろうか。  クリスマスか…今年は彼女もいないし、あんまり関係ないな。  今は彼女をつくる事より、そろそろバンド活動がしたくてウズウズしていたところだった。  結婚とか、就職先の勤務形態の関係で活動できなくなったメンバーが立て続けに脱退して解散するより仕様がない状況に追い込まれて一年程経っていた。  そして、気に入っていたギャルバンのギタボが独立してバンドメンバーを募集していると聞いて、今から顔合わせをする為にスタジオに向かっている。
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