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スタジオに着くと、この間までROCKサン18号というバンドで活動していたギタボのプッシーCatを名乗るアヤはもう既に来ていた。
プッシさんは立ち上がって、軽く会釈をした。
「来てくれてありがとう。」
笑顔のプッシさんに、不覚にもドキッとした。
ステージの上のプッシさんはもっと派手なパンクメイクをしていて恐いイメージしかなかった。
今日のプッシさんは相変わらず目のまわりは黒いものの、控えめなメイクで、可愛らしい童顔がうかがえた。
そのギャップにやられそうになったが、わーは大和撫子が好きだ。しかもプッシさんスッピンはやばそうだし、やられそうになった事を顔に出す前に脳内で消去した。
「ねえ…弦替えられる?」
「はっ??」
プッシさんは弦の切れてしまった赤いギターを差し出しながら言う。
「 替えろと?」
「うん、昨日切れちまって、困ってんだよ。」
プッシさんは口を尖らせて困った顔をしていた。
「自分で替えないの?」
「出来ないんやもん。」
「はっ????」
プッシさんの程の人が弦張れないとか…マジか!?
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