できたてほやほやDICK LICKERS

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「出来ないとか…あはは。冗談キツいな。」 「本気ででけんもん…仕様がないやんか。」  プッシさんは目を潤ませて口を尖らせて、泣きそうになっていた。  ちょっ、泣くな、わー何か悪いこと言ったかな?  気が強い女に見えるが、意外と泣き虫なんだな、プッシさんは。 「あれだけの実力あって、弦張れないって信じらんないのが普通だって。しかし、弦張れないのに、何で弦張りがめんどくさいグレッチなんだよ。プッシさん面白いな。」  わーは、プッシさんからギターと新しい弦を受けとって、弦を張り替える。 「自分で出来ないと、色々不便じゃないの?」 「うん、前のバンドのベースにやらせとったんやけど、弦張り出来んでってクビにされたんよ。アハハ…。」 「クビにされた!?そのベース阿呆だな。プッシさんのギターとメロディーが無かったら、あのバンド成立しないだろ?」  弦張り出来ないっていうのは表向きの理由だろう。  恐らく嫉妬だな。  あのベースの作る曲じゃあのバンドは、ダメだな。消えるのも時間の問題だ。 「アタシが足を引っ張ってたんだと。弦も張れない実力の無いギターは要らないってさ。曲なら自分にも書けるし、アンタ要らないって言われたぞ。」 「まあ、確かに楽器のメンテは基本だからな…でも、プッシさんのギターの実力は凄いよ。並みの実力じゃないと、わーは思う。」  わーは弦を張り終えたギターをプッシさんに渡す。
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