二章 /3

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僕は赤い風を頭上で回転させて僕に降り注ぐ光の槍をねじ潰す。 そして即座に距離を置く。 なんだよ、こいつぅ……。 顔が三つもあるから死角がない。 やりにくい……。 「すばしっこい鼠じゃ」 阿修羅はゆっくりとこちらに向き直すとそう言った。 舐めやがって……。 「ほれ、一撃目じゃ」 阿修羅の持つ槍が僕の胸に迫り来る。 早い! 僕は右に体をそらす。 が、避けきれず、左腕が体から離れる。 鮮血が舞う。 クソッタレが! 「苦戦しとるのぉ」 野太い声が聞こえてくる。 この声は……。
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