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僕は風で傷口を圧迫しながら声のした方を向く。
「名軍師が必要かね?」
先程の野太い声の主、武田信玄はでっぷりとした腹を揺らしながら笑う。
「……瞬速の名が泣く」
信玄とは真逆の高身長で筋肉質の男、上杉謙信が言う。
その二人の後ろに控える40人ほどの隊士たち。
隊士の前に立つのは二人の副将。
本来、組長には副将が着く。
が、信玄と謙信をはじめとする5人しか副将を着けていない。
信玄の副将は真田幸村。
謙信の副将は直江兼続。
「鼠が増えおったわ」
阿修羅は嘲笑する。
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