二章 /3

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僕は風で傷口を圧迫しながら声のした方を向く。 「名軍師が必要かね?」 先程の野太い声の主、武田信玄はでっぷりとした腹を揺らしながら笑う。 「……瞬速の名が泣く」 信玄とは真逆の高身長で筋肉質の男、上杉謙信が言う。 その二人の後ろに控える40人ほどの隊士たち。 隊士の前に立つのは二人の副将。 本来、組長には副将が着く。 が、信玄と謙信をはじめとする5人しか副将を着けていない。 信玄の副将は真田幸村。 謙信の副将は直江兼続。 「鼠が増えおったわ」 阿修羅は嘲笑する。
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