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「兼続!」
謙信が叫ぶ。
「御意!」
愛の文字が兜に付いている男が応えると剣を抜いた。
【以義愛守・瞬】発動
「失礼します!」
兼続が一瞬で僕の前に来ると、僕を下へ投げた。
そのあと、上空では木をすべて避けきる兼続がいた。
「熱くなるな、小次郎」
赤黒い風でなんとか着地すると、横にいた謙信が言う。
チッ、くそが。
「さーて、反撃しちゃうかね」
信玄は軍配で肩を叩きながら言う。
謙信は黙って七支刀を構える。
ヒュン!
謙信の後ろに現れた兼続も剣を構える。
信玄の後ろに控える幸村も十字槍を構える。
「小次郎、兼続、幸村で先陣を切っちゃおうかね。
謙信と儂は虚をつく。
隊士たちは儂と謙信がいったあとに総攻めだ」
信玄は普段のふざけた顔と声を引き締めて言う。
なるほど。
時間差をつけることでペースをこっちに持っていくのか。
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