二章 /3

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全身漆黒で目は黄色く、腕は六つ、顔は三つある小柄の男。 手に武器はなく、手そのものが武器のような雰囲気を放っている。 「っ!!」 黒い生物が一瞬にして僕の前に移動して、六つの腕を振り上げた。 僕が物干し竿で防ぎの体制を取るより早く、僕の体を貫く六つの腕。 「!?」 不思議なことに、痛みはない。 「小次郎!」 謙信の怒鳴り声で僕はようやく息をした。 な、なんだ?今のは……。 ただの……イメージ……なのか? まさか、この僕が殺気にやられて死ぬイメージをしたのか? ふと、黒い生物と目があったような気がした。
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