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俺は立ち上がると自分の部屋に向かう。
ゲームを始めるためにーー
姉のいる俺の居づらいリビングから出、階段を登る。
階段を一段一段登る度に俺はゲームへとーー夢へと近づいていく。
気の早い心臓が踊り出す。
腹の底からじんわりと、池に石を落としたときに起こる波のように何かが広がる。
俺は自分の部屋の前に立つとドアノブを握りしめた。
ゴクリ。
俺は乾いた喉を潤すために唾を飲み込んだ。
緊張で乾いた唇を舐める。
ゆっくりとドアノブを回す。
カチャリ
鍵が開く音がする。
ドアノブを引く。
ギィと軋む音を立てながらドアが開く。
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