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あの日のことを思い出していたら、あの日と同じことが起こった。
ただ、あの時と違うことはバス停には僕以外誰もいないということだ。
バス停の屋根の中に入って、目を瞑り、深呼吸を行う。
天気雨なんて数分で止んでしまうのだろう。
でも心の中には、不確定な期待を寄せる僕がいた。
晴れ空に散らばる弱々しく薄い雲。
地面に落ちる雨の音。
そして、バス停の中の僕。
あの日から何も変わっていない。
変わっていないから雨が降る。
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