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「おつかれさまでしたぁ」バックルームでみんな帰り支度中―――
「凉さん!飲みに行きましょうよぉ」
カワイイ声の持ち主は、後輩の折原美樹(21)
「今日はごめん。予定あるんだよね。」
不満そうな顔をする美樹ちゃんをよそにちゃっちゃと帰り支度をする私。
紺野 凉(25)仕事は美容師。
メールをチェックする。
早くこい。と催促メール
今日は、高校以来会ってない幼馴染みのカズと飲みに行く約束をした。
美容学校を卒業してからスタイリストになるまで、夜も練習。休みは講習。と、プライベートな時間など全くなかった。
スタイリストになってからも、毎日オーナーやスタッフとこれからのお店のことや、これからの自分について熱く夜中まで語りあっていた。
そう、今を必死に生きていた―――
先日、久しぶりにカズからの電話。
仲間の一人が結婚するという報告から飲みに行こうという話になった。
「お疲れ様でした」
そう言ってお店をあとにした。
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