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ホームルームが終わり、ジャージに着替える。
そして、利央やスタンに仁と冬馬は新入生のサッカー部員が集まっているグラウンドに向かう。
「わあ、すげえな……」
人工芝の経験があまりない利央はトレーニングシューズで感触を確かめようと何度も蹴った。
沖縄では人工芝でサッカーができるグラウンドが少ない。
でこぼこしている天然芝や、砂利があって砂ぼこりが舞うグラウンド……。
雨季になれば泥に足をとられて、まさに泥試合。
利央が小さい時からプレイしてきた環境だった。
人工芝のある学校で本格的なサッカーができる、利央はとても嬉しかった。
「やっぱり、土のグラウンドよりは芝だよねえ」
「当たり前だ」
仁が背伸びしていうと、あくびをした後の冬馬がいった。
芝のグラウンドを囲むように陸上競技用のトラック(走るためのコース)がある。
その中央に一年生が18人ほど集まった。
さすが、本土の私立高……みんな顔立ちがしゃきっとしている。
俺も引き締まっていかないと、と利央は両手で顔を叩いた。
全員が集まったところで、トレーニングウェアを着た20代前半の若い男性が一年生たちの前にやってきた。
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