(続)耳栓

旅立ち

嘉穂は引っ越しの手伝いも本当に沢山手伝ってくれた。三日前に引っ越し業者に頼んで、引き取りに来てもらった大量の荷物。

二人で、途中写真を発見したりして、思い出に浸りながら荷造りをした。

私が途中泣き出したり、嘉穂が突然泣き出したり、、、そんな事もしながら。

私のマンションは母親と話し合い、他人に賃しには出さずに、妹に貸すことに決まっていたので、テレビや机など大体の家具は置いてきた。

妹は嫌だと言っていたけれど、母親が、実家にいるなら家賃と食費で10万入れてもらう！！と怒鳴り散らし揉めていたが。

私のマンションはローンと管理費のみの5万円で妹に貸すことに。2LDkの駅近マンションで人に貸したほうが明らかに儲かるし、税金を考えれば妹に貸すのは損になる。しかし、あの思い出が詰まった部屋を、見ず知らすの人に貸すのが嫌だった。

それに妹にも自立して欲しかった。独り暮らしをしてみないと、親のありがたみも分からない。けれど、今は妹は情緒不安定で、実家から遠くに住まわせるのも危険。

実家に近い私のマンションは妹にもピッタリだと思った。