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女性「こちらになりますキャビン・ネット兵」
キャビンと呼ばれた青年は真新しい軍服を身に纏い、日に焼けた肌で、青い瞳、青い髪を肩まで伸ばしている。
キャビン(や…やべーって…!どうして俺みたいのが最初から中央勤務なんだよっ…!うわ…案内嬢滅茶苦茶美人っ…!)
キャビンは女性に連れられて廊下を歩く。
キャビン(噂じゃ特待も中央勤務らしいが…やっぱり、学園卒は待遇が違うんだろうな…。総督が卒業生なくらいだし…バカでもいけるんだな…)
女性とキャビンは建物の外に出る。
キャビン(しかし、広いな…。流石、世界政府本拠地なだけはある…。これなら…何処に配属になっても胸張って…)
女性が立ち止まる。
少し先には男が待っていた。
短く後頭部で束ねられた金髪、澄んだ綺麗な灰色の瞳とややつり上がった目が特徴的で裾のやたら短い軍服をしっかりと着こなして華奢な体付きをした男性である。純白に光る手袋をしている。
キャビン(女…みたいな顔付きだが違うよな…?ていうか…少し年上くらいか…)
女性「マイク少尉、彼が新人のキャビン・ネット兵です。後のことはよろしくお願い致します」
マイクと呼ばれた男が敬礼する。
マイク「了解、承りました。後のことは自分にお任せ下さい」
女性は一礼してから建物に戻る。
マイク「あんまり愛想良くされなかったろ新人」
キャビン「へ…?」
マイク「いずれ分かるさ。俺はマイク、位は少尉。この後の案内役を任されている」
キャビンはすぐさま敬礼する。
キャビン「キャ…キャビン・ネットであります」
マイクがニッコリと微笑む。
マイク「よろしく頼む。今後は俺が世話係になるから、是非とも頼ってくれ。頼り無いかもしれないが俺も尽力する」
キャビン(スゴい優しそうな雰囲気の人…。中央勤務に続いて優しい上司…。こりゃ…当たりだな俺…)
マイク「立ち話もなんだ。隊の建物に行こうかキャビン新人兵」
キャビン「は…はい」
マイクの後をキャビンが歩いて行く。
マイク「人手不足だったから何よりだ。これで少しは楽になると良いが…」
マイクがボロボロの建物の前で立ち止まる。
キャビン「へ…?」
マイク「ようこそ世界政府軍事機関第四十六部隊…通称『最果て』の建屋へ」
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