165人が本棚に入れています
本棚に追加
マイク「いやぁ、満足満足。期待通りの反応してくれたよ新人」
キャビン「は…はぁ…」
マイク「ヒドい有り様だろ?他の建物は綺麗なくせして此処だけまともに整備されていない。何故なら此処はゴミ処理場の建物をとりあえず隊の建屋として…」
キャビン(意外と…子供っぽい…?ま…まあ…親近感があるから…悪くはないが…)
キャビンが建物の中を見渡す。
キャビン(軍事機関は…確か四十五隊のはず…。なのに…なんなんだ第四十六部隊って…。新しく作られた部隊とは聞いてたが…)
マイクが扉の前で止まりノックする。
マイク「将軍、新人を連れて来ました」
マイクは返事を待つが扉を開ける。
中には男が2人、チェス盤を睨み合っていた。
片方は逆立った短い銀髪に、黒い瞳の持ち主である。左頬には3本の爪痕が残されていた。白いマントを纏い、肩にはエンブレムが付けられていた。
もう片方は赤茶色の癖のある毛を生やし、同じ色をした髭をしているのが特徴的である。やる気の無い垂れた目付きをしていて、軍服は着崩して上着は前を全開にし腕まくりをしている筋肉質の男である。
キャビン(金色刺繍の将軍の羽織り…。ということは銀髪の…一番若い大将のシロン・ウォーカー将軍と…あっちはミラルダ大尉だ…)
シロン「おい…」
ミラルダ「待ったは無しだぞ?ちゃんと約束は守ってもらうからなシロン」
シロン「くぅっ…」
マイク「最初の仕事だ新人」
キャビン「えっ…?」
マイク「劣勢の将軍側の戦況を救ってやれ」
キャビン「イ…イエッサ」
キャビンがチェス盤に近寄り見詰める。
手を伸ばし駒を進める。
シロン「あ…?」
ミラルダ「そう来た…」
ミラルダがすぐに駒を動かすがキャビンもまたすぐ駒を進めて奪う。
ミラルダ「な…なんのこれし…」
キャビン「チェック」
マイク「へ…?」
シロン「何…?」
全員がチェス盤を見る。
ミラルダ「ま…参ったでしょ」
シロンがいきなり立ち上がりキャビンと肩を組む。
シロン「でかしたぞっ!いやぁ、あのままだったら危なかったんだわっ!ええっと…マイク、誰だコイツ?」
マイク「キャビン・ネット。今日から配属になった新人兵です」
最初のコメントを投稿しよう!