No.1

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授業中にチラッと隣を見れば寝ている。 さっき言われたことがまだ少し気になる。 しかし、隣を見てガッツリ寝ている彼を見ると、考えるが馬鹿らしくなった。 「夏目、この問題解けるか?」 「あ、はい。」 ボーッとしていたら先生に名前を呼ばれ、黒板にチョークを走らせる。 比較的簡単なもので良かった。 書き終えた後、席に戻ると彼が起きていた。 「間違えてはねぇけど、随分面倒臭いやり方してんね。」 「答えがあってるなら良いじゃん。」 「ただ間違えやすくなる。」 あくびをするとすぐにまた机に突っ伏した。 チラッと机の上のノートに目を運ぶと、私の計算式なんかより全然短くまとめられていた。
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