No.1

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悔しいけど、この人に頭では勝てないと思った。 彼を起こして、こちらを見る彼に悔しいけど口を開く。 「やり方教えて。わかんない。」 「えぇー…ダルい。」 突っ伏していたためにおでこが赤い。 「何処。」 「ここのやり方。」 「これくらい解けろよ。」 スラスラとペンを走らせていき、ノートは要点でまとめられていく。 文句を言いながらも教えてくれたことには、正直嬉しかった。 「そこ、イチャイチャしない。」 先生は何を見て、私達がイチャイチャしているように見えたのだろうか。 「俺がこんなブス相手にするわけねぇじゃん。」 彼は眉間にシワを寄せながら、答える。 私は感謝していたことを後悔した。
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