No.1

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ブスって言われたのは確かに嫌だった。 だからって、何で自分が可愛いみたいなことになっているのだろうか。 目頭が熱くなる。 「違っ、そんなこと思ってないっ。」 バンと音を立てて立ち上がり、彼を睨みつける。 彼は笑ったままだ。 「大丈夫大丈夫。お前可愛いから。」 周りの視線にも屈することなく彼は笑っている。 今度は可愛いなんて言うから、また周りの目が集まる。 「大伍ぉ、告んなぁ。」 「痴話喧嘩すんなって。」 周りの冷やかしの声にも、彼は臆することはなく笑っている。 私だけ恥ずかしい思いをしている。 「アンタなんて大嫌い。」 居心地が悪くて教室を出た。
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