No.2

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今週の金、土に近づいて文化祭の準備は忙しくなり帰りが遅くなる。 時計を見れば20時半を少し過ぎている。 「帰るぞ。」 解散と同時に私に声を掛けて来るのは良いが、荷物を勝手に持ってて欲しくない。 「私のバック。」 「早くしないと21時5分に乗れなくなるぞ。」 勝手に歩いていく彼の後を追い、玄関でバックを取り返した。 人の都合を考えないと言うか、本当に自己中だ。 「早く歩けよ。」 「一人で先行けば良いじゃん。」 「危ねぇから送ってやるって人の好意無駄にすんな。」 手首を無理矢理掴まれて、引きずられるようにして歩く。 「離してよっ。」 彼は何も言わずに駅まで私を引きずった。
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