No.1

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寒いと認識するようになった10月の上旬。 夏目未来(ミク)は苛立っていた。 苛立ちの原因は、誰でもなく隣の席の名波大伍。 今年の4月からずっと隣の席の彼が私は大嫌いだ。 「おい。」 「…何?」 「プリント見せろ。」 彼は上から目線でいつも話し掛けてくる上に、人の気持ちも考えない。 「人に頼むのにその態度?」 「つべこべうっせぇんだよ。」 しまいには私机から勝手にプリントを取り、写し始める。 イラッと来るが、彼と深く関わりたくない。 ナチュラルブラウンでサラサラとした髪の毛、奥二重の目。 極稀に、ぱっと見カッコイイ時があるのは否めない。
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