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彼は一目を置かれている。
一部からは良く思われているみたいだが、私にはこの男の良さが一切解らない。
ただ解るのは、男友達はたくさんいて、その人達が困ったことがあると彼に頼んでいる。
「ほら。」
「ありがとうの一つも言えないの?」
「問いの2、5、6間違えてるけど。」
彼はしれっと言うと、席から立ち上がり、友達のもとに歩いていく。
プリントを見ると、解答の隣に、薄い字で別な答えが書いてある。
「…マジで腹立つ。」
プリントの最後に、「こんなのも解けねーって馬鹿じゃねーの」と濃く書かれてあった。
消しゴムで消しても、うっすらと残り、私はそのプリントのまま出すしかなかった。
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