No.1

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男女合同の体育。 この時間が私には苦痛でならない。 「ほら来いよ。」 バスケでボールを持つ私の前に、ナチュラルブラウンの奴がいる。 運動が出来ないわけではないが、男の彼に勝てるところは何もない。 ボールをついて、ドリブルしようとすれば彼がいとも簡単にボールを取る。 「ほら、来いよ。」 からかうようにニヤッと笑い、私はムキになって取り返しに行くが、彼は簡単にゴールを決めてしまう。 「残念でした。」 シュートを打ちにいけば上から叩き落とされ、キッと睨むと、彼は私の頭に手を置く。 「大伍ぉ、未来ちゃんにも手加減しろよ。」 「良いんだ。コイツMだから。」 私にだけ露骨に手加減しないで、嫌がらせをする。
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