No.1

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「ああ、もうやだ。」 いくら頑張ったって、彼が私の邪魔をする。 挑発はしてくるし、その挑発にまんまと乗ってやられる自分も嫌。 「未来ちゃんばっかいじめるなよ。」 「腹立つんだよ。俺のこと敵視してやがっから。」 彼はステージの近くで大きな声で話している。 こっちはイライラするし、汗で気持ち悪いし。 「大伍君も鬼だね。」 成実はニコニコと笑っているが、今年に入ってから大好きな体育の時間が奪われた私の気持ちを知らない。 「腹立つ。腹立つ。腹立つ。」 隣でブスブスと文句を言っている私に成実は苦笑いを浮かべる。 「大伍ぉ。」 呑気にバスケをしているナチュラルブラウンが憎い。
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