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迫り来る怪物達を地球防衛軍日本守備隊が打ち向かうが兵力差に圧倒されつつあった。
渥美半島では空から飛来する怪物達を対空戦車隊が迎撃していた。
また一体、また一体と撃墜させていくが迫る怪物達はその数を増してゆく。
際限の無い攻撃に隊員達の顔にも疲労の色が写し出される。
対空戦車の放つ弾は百発百中である。空が墨で描かれるように漆黒に染まる程の怪物が居るからだ。
怪物達はいい加減、戦車隊の攻撃が煩わしくなったか急降下してきた。
怪物達は口にエネルギーを収束させ一つの弾にした。そしてその弾丸を戦車隊に放つ。
戦車隊は回避行動をとるがエネルギー弾には追尾機能が付いているのかその全てが戦車に命中した。
戦車は木端微塵の残骸となり電子機器の火花がガソリンに引火し空に黒煙が上がる。
生きてる乗員は居ない。そう思わなければならない。
誰も助けに行くことが出来ない。昨日まで同じ釜の飯を食べた。苦楽を共にした仲間を見捨てなければならなかった。
これが戦場なのだと。
しかしながら瀕死の仲間を助けたいと願う者もいる。
その者は知らないのだ。助けを求む者は既に怪物に喰われていることを。
隊長という肩書きは時に名誉であり、時に残酷なものである。
全体を考え動けない個人を見捨てなければならないのだから。
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