-南と夾-

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声の主である知咲の顔は真っ赤に染め上がってて。 席から立ち上がったまま、やや俯きがちに夾のことを見つめてる。 「ん、なあに?」 夾が首をかしげる。 その仕草が夾らしくて。 「ま、またね」 「うん、バイバイ」 夾が笑って手を振る。 それに答えるように振りかえす知咲。 横目でそれを見ていると、知咲がはっとして「あっ!南も、バイバイ」と付け足した感じであたしにも手を振った。 まさかの今更か。 知咲の優先順位は夾を筆頭にして後は計り知れない。 とりあえず、「じゃあね」と返して教室を後にした。
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