-南と夾-

10/27
前へ
/198ページ
次へ
「「あっ」」 ほぼ同時にあたしとその人は声をあげたかもしれない。 あたしに優しく微笑むとこちらに歩み寄って、 「南ちゃん、今帰り?」 「はい」 「そっか、俺はまだあと1時間くらい練習。めっちゃきつい」 苦笑いを浮かべながら彼はTシャツの襟で流れる水滴を拭う。 彼……棗祐希(なつめゆうき)先輩は1つ年上の2年生。 サッカー部の中でもレギュラーで活躍している…らしい。 らしいというのは実際の試合を観た事がないからだ。
/198ページ

最初のコメントを投稿しよう!

186人が本棚に入れています
本棚に追加