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「「あっ」」
ほぼ同時にあたしとその人は声をあげたかもしれない。
あたしに優しく微笑むとこちらに歩み寄って、
「南ちゃん、今帰り?」
「はい」
「そっか、俺はまだあと1時間くらい練習。めっちゃきつい」
苦笑いを浮かべながら彼はTシャツの襟で流れる水滴を拭う。
彼……棗祐希(なつめゆうき)先輩は1つ年上の2年生。
サッカー部の中でもレギュラーで活躍している…らしい。
らしいというのは実際の試合を観た事がないからだ。
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