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「あの…大丈夫ですか?」
気がついたら近くまで歩み寄ってて。
「…え?…あ、…けほっ…けほっ…だ…ごほっ、じょうぶ」
全然大丈夫そうに見えないけど。
肩を揺らす原因の咳はおさまりそうにもない。
ええと。
きょろきょろと辺りをもう一度探してから運良く目に入った物を手に取る。
そして、そのまま1度廊下に出てまた保健室に足を運ぶ。
あたしの手の中には紙コップ。
中身は水道水。
「あの…これ、どうぞ」
苦しそうにしてた彼があたしを見上げて
「あ、ありがと」
そのまま、紙コップを受け取ると水を流し込んだ。
「ふぅ…」
一応、少しは落ち着いたみたいだ。
ほっとあたしも息をついて、また救急箱探しにでも戻ろうとした。
「あのさ」
彼がそう話しかけたからできなかったけれど。
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