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「何ですか?」
「俺さ、普段風邪とか引かないからさ、こうやっていざ具合悪くなるとすっごい症状重くて」
「…そうなんですか」
「だから、本当に助かったよ。…ありがとう」
そう、あたしに優しく微笑んだ。
「いえ、良かったです。落ち着いたみたいで」
「…そういえば、保健室来たんだよね。あ、足怪我してるのか。それ」
彼が指差すのはあたしの膝で赤く腫れたそこを早くしなきゃって思った。
「はい、ちょっと体育で。だから、救急箱探してるんですけど」
「あ、そうだったんだ。救急箱なら俺、わかるよ」
こっちって彼が腰を上げて立ち上がる。
先生が座るデスクの奥の戸棚の前で立ち止まってそこから赤い十字のマークが描かれた救急箱を取り出した。
「あ…、ありがとございます」
そのまま受け取ろうとするけど箱はまだ彼の手の中。
「俺がやってあげるよ」
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