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「はい?」
「お礼も兼ねて…ってことで。ほら、座って」
「いや、でも…」
「いいから、いいから」
そう促されて座ざるを得なくてとりあえず丸椅子に腰を下ろす。
彼もあたしの向かいに腰を下ろして2人で向かい合う形になった。
「結構派手にやったね」
彼が傷跡を見て呟いた。
「体育ってそんなにハードなこと今やってんの?」
「…ああ、バレーボールですけど。…怪我した理由は…まあ、はっきり言ってあんまりバレー関係ないです」
「ははっ、そっか。早く治るといいね」
笑いながら、せっかく綺麗な脚してるんだからって言うから
「え?」
「え?……あ!…えっと、あ、綺麗な脚っていうのはその……。なんかごめん、俺、エロおやじみたいだよね」
「……エロおやじって」
笑いがこみ上げくる。
そんなこと言わなそうに見えるのに。
「あははっ。エロおやじって、ふふっ」
久しぶりに声をあげて笑ったかもしれない。
あたしの感情はそれくらい冷めてるから。
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