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「ねぇ、南」
「ん?」
そのままむくりと起き上がってあたしと向き合う。
夾のビー玉のような目と合った。
そして……
「キスしよ」
なんの前触れもなくそう言うから。
「いいよ」
あたしは平然とそう答えて。
夾の目がゆっくりと細められてそのままあたしを自分の方へと引き寄せる。
自然と夾とあたしの唇が重なった。
…もう、これで何度目だろうか。
幾度も重ねあってきた。
同じことを繰り返して繰り返して巡ってる。
でも、それは苦痛じゃない。
ファーストキスなんてどうだっていいんだ。
このことは互いの両親だってきっと知らない。
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