SERIES:0

3/3
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
「全く……あれくらい接近した程度で、ギャースカギャースカ喚きなさんなっての……あんなんでいちいち驚いてるようじゃ、いざって時に対応できるのかしら?」  RF-4EJの前席に座り、そう言っているのは、黒髪をショートカットにした女性。彼女の名は"射命丸 文"。  航空自衛隊 百里飛行場に駐屯し、主に偵察任務や地震や雪崩・火山噴火といった大規模災害の観測を任されている部隊「第501飛行隊」所属の機体「RF-4EJ 48-6810号機」の専属搭乗員を担当している、空自では数少ない女性パイロットである。 「あぁ、またこんな無茶な事やらかして……毎回毎回始末書書かされるのは誰なのかって事を少しは考えて欲しいものよ、もぅ……」  RF-4EJの後席にて、そんな事をぼやいているのは"姫海棠 はたて(ヒメカイドウ ハタテ)"という名の、栗色の髪をツインテールにした女性。  文と同じく、「810号機」の専属搭乗員を担当している女性航空士で、文の無茶苦茶な飛行と、それによって発生する始末書の提出に毎回頭を悩まされている。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!