雨に見る夢

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午後に降る雨は 微睡みへのいざない手 雨音に意識奪われ 心は既に旅模様 時空を超えて 夢かうつつか 路面の落葉は 風を待つ いつ吹くかも知れぬ風 待ちくたびれて見る夢は くるくる廻って 空を舞う夢 螺旋の階段 かけ上がり 目映い光の中 遠い日が甦る 友と二人で歩いた裏通り すれ違い様に笑った子 誰だっけ? 憶えてるよ そして 一陣の風が木立を揺する 枝葉の音? 風の音? サワサワと 落葉が風に舞っている 枝を越えて舞い上がり きれいな螺旋を描いて消える 落葉がそれを描くのか それとも風の悪戯 落書きなのか 描くと同時に消えて行き 足跡さえも残らない 記憶の中の痕跡は 昨日の夢の様に消えるもの 全ては やがて消えて行くもの 限りなく 淡く朧気に そして 消えて行くもの どこかで 雨音が聞こえる
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