1人が本棚に入れています
本棚に追加
午後に降る雨は
微睡みへのいざない手
雨音に意識奪われ
心は既に旅模様
時空を超えて
夢かうつつか
路面の落葉は
風を待つ
いつ吹くかも知れぬ風
待ちくたびれて見る夢は
くるくる廻って
空を舞う夢
螺旋の階段
かけ上がり
目映い光の中
遠い日が甦る
友と二人で歩いた裏通り
すれ違い様に笑った子
誰だっけ?
憶えてるよ
そして
一陣の風が木立を揺する
枝葉の音?
風の音?
サワサワと
落葉が風に舞っている
枝を越えて舞い上がり
きれいな螺旋を描いて消える
落葉がそれを描くのか
それとも風の悪戯
落書きなのか
描くと同時に消えて行き
足跡さえも残らない
記憶の中の痕跡は
昨日の夢の様に消えるもの
全ては
やがて消えて行くもの
限りなく
淡く朧気に
そして
消えて行くもの
どこかで
雨音が聞こえる
最初のコメントを投稿しよう!