3人が本棚に入れています
本棚に追加
遠い午後
倦怠が支配する時間
時の流れが遅れ始める
それは果てしのない
砂塵の一粒々々
吹く風はとりとめもなく
舞い散る砂は川となり
過去へ過去へと流れ落ちる
寒い夜にみる夢は
ほんのり仄かな
宵の舞い
夢は微睡み
うつつに溶ける
垣間見るは儚き人の世
何故に
如何に
世は続く
うたかたの世界には
終焉が来る事を知り
いつしか人も
無意識の裡に
眠りにつく
いつまでも
覚めぬ夢に
意識だけが歩き出す
終の住み処は
朧に揺れて
そこにあるのは
夢の名残り
それでもよしと
認めたつもりで
一歩だけ
ただ一歩だけ踏み出してみる
諦める事と受け入れる事
それぞまさしく我が矜恃
朽ちる事すら
誇らしく
なしくずしに
崩れ行く
雨上がりの匂い
記憶の片隅に
風が流れる
最初のコメントを投稿しよう!