恋をいつでも突然に

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「クリーニング代出せやこら!」 「いや今お金無いんですよ」 もちろん嘘だが火に油を注いだようだ。 「嘘ついてねえでさっさと出せや!」 さすがに5人に囲まれ逃げ場が無い。 周りにいた人達も見てみぬ振りをしながら離れていく。 当然だ、誰も面倒事になど巻き込まれたくは無い。 これが当たり前なのだ。 「はあ」 「何溜め息ついてんだこら!」 おっと小さくしたつもりだったが聞こえたようだ。 「この野郎舐めてんじゃねえぞ!」 リーダーのような奴の拳が上がる。 『あっ、こりゃ殴られるわ』 案外あっさりと受け入れた自分に驚きながら目を瞑る。 「待ちな!」 「ああ!」 「…………あれ?」 しかし拳は飛んでこず不良達はなぜか後ろを向いていた。 「誰だお前は!」 どうやら誰かが止めに入ってくれたようだ。 『へえ、変わった奴がいるな』 一目見てみようと何とか頭をずらし覗き見る。 「お前らみたいな弱いものいじめしかできない奴らに名乗る名など無い!」 「んだとこら!」 「ふざけんな!」 「…………おん……な?」 そこにいたのは男と見間違うほどイケメンな女子だった。
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