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風
僕達は高校に進学した
有紗と同じ公立高校だ。
高校に入学してから
僕たちはあまり話すことが少なくなった
別にケンカしているわけでは無いし、たまに一緒に学校に行ったりするが、向こうも向こうで友達と関わったりして忙しいらしく。
学校に着くとすぐに友人が待つ廊下へと飛び出していく。
家から自転車で15分の高校は、僕達が住む伊勢の町を一望できる程山手にある高校で。歴史ある分、校舎自体も古く、冷暖房なんかありゃしない。
「あっちぃ…」
僕こと裕一は
慣れない坂道を自転車でかけあがっていた。
滝のように流れる汗が気持ち悪い。
7月初めは完全に夏モードに入ったかのように炎天下の日々が続き、下手すりゃ熱中症になりそうなほどだ。
しかし、なんでこんな山手の高校に進学したんだろ…。今思えばバカらしい
まぁ田舎の町だから
近くにあまり高校なんてものはない。自転車で数十分だけで着くだけでもまだマシなほうなんだ
駐輪場に自転車を停めて
タオルで汗を拭いながら教室へと向かう。
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