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今日さえ行けば後は夏休みだ。これからは引きこもり生活が出来ると思うと内心わくわくしていた。 あの長い長い坂道を 当分は登らなくていいのだから。 僕は少しニヤニヤしながら 教室の扉に手を当てた。        φ 「私…裕一くんに告白しようと思うんだけど…」 「えっ!」 夏休み前日の朝一番の教室にあたしの驚く声が響き渡る。 と言うのも、 唯に呼び出されて朝早くにあたしが来たわけだが、唐突に恋愛相談を持ちかけられてしまったわけである。 今あたしに相談している ふわふわしたロングヘアーで 少しほにゃほにゃした感じの、(ロリコンなら大喜びで彼女を追っかけ回すであろう) …幼い顔をした女の子。 桜庭 唯(さくらば ゆい)は 高校入学時から仲良くしてる女の子だ。 清楚な女の子として 男子からも人気はあるようだが。本人は全く気づいていないほど天然だ。 「えっ?!裕一?ホントに?」 「うん…」 この唯の口から裕一の名前が出るとは思わなかった だってあの裕一だよ? 裕一とは幼馴染で長い付き合いだけどさ。 言うてそこまでイケメンちがうし 超鈍感だし ヘタレだし。
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