冥府へ至る玉座に想う

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彼の姿は冥府の奥底に消えて。 私は彼の、帰りを待つ。 二度と帰らないかもしれない、彼を想う。 それは、望んでいたのとは少し違うけれど。 私の為だけに、今紡がれている冒険譚。 私は彼の、行く先を想う。 それは。 飽いた世界に、唯一差し込んだ光。 私は一人、冥府の玉座で、彼を想う。 ―世界はほんの少しだけ、色を帯びていた
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