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熱気のこもる部屋。
その部屋のベッドの上ではたった今まで情事が行われていた。
朦朧とする頭を起こして、僕は目を擦る。
それからすぐに、今まで気絶していた事に気づく。
足腰が言うことを聞かない。
今でも、がくがくと震えている。
鴉の刺青のある胸に手を当てると、いつもより早い心臓の鼓動を感じる事ができる。
ズキリ、と身体が痛む。
でも、ちっとも悪い気はしなかった。
僕の身体に残った、あの人の印。
今、あの人はいないけど、お風呂場からシャワーの音が聞こえる。
きっとシャワーを浴びているんだろう。
ああ、まだいてくれたんだ。
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