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最初は、いつもと同じようにお金の為だけだった。
その為の身体なんだから。
あの人と出会ったのは、夜の10時、雪のちらつく公園でだった。
僕は僕の身体を欲しているような人がわかる。
忘れたいこと、辛いことがあった人がわかる。それを誤魔化すこと、忘れる一時を作ること。
それが僕の『商売』だから。
それが、生きる術だったから。
‥解っていたはずだったのに、解っていなかった。
僕は身体を売った。
いつものことだ。
棄てる感情も、殺す心も無くなった今、もう今更演技する事すら、必要なかった。
空っぽな僕は自然に可愛く啼くことも、嗜虐心を煽ることも、悦ばせる術も、全部全部自然に扱う事ができた。
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