2 玩具

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最初は、いつもと同じようにお金の為だけだった。 その為の身体なんだから。 あの人と出会ったのは、夜の10時、雪のちらつく公園でだった。 僕は僕の身体を欲しているような人がわかる。 忘れたいこと、辛いことがあった人がわかる。それを誤魔化すこと、忘れる一時を作ること。 それが僕の『商売』だから。 それが、生きる術だったから。 ‥解っていたはずだったのに、解っていなかった。 僕は身体を売った。 いつものことだ。 棄てる感情も、殺す心も無くなった今、もう今更演技する事すら、必要なかった。 空っぽな僕は自然に可愛く啼くことも、嗜虐心を煽ることも、悦ばせる術も、全部全部自然に扱う事ができた。
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