2 玩具

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朝になれば、あの人と僕は他人に戻る。 あの人も何事も無かったかのように、日常へと戻っていくだろう。 今までもそうしてきたし、何よりもそれが『商売』だから。 でも、今はそれがとても恨めしい。 あの人を、あの人がくれた温もりを手放したくなかった。 ダメなはずなのに‥ お金の為の、嘘偽りの愛と温もりと関係のはずなのに‥ 初めての感情に、僕はどうしていいかわからない。 叶わないことなら、せめて、あの人の香りにくるまれて、朝まで眠りにつきたい。 小さな自分の身体に、毛布をかける。 疲れたせいか、すぐに睡魔はやってきた。 眠りに落ちる直前、あの人の声が聞こえたような気がした。
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