青田視点1

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だけど…… そんな妄想がいつまでも続く程、世界は単純に出来ていない。 居ないはずの少女の存在は現実との間に摩擦を生み、やがては弾け飛ぶ。 昨日、ついにその日が訪れてしまった。 結果…… 一年近く現実逃避したツケを一気に食らい、俺という廃人が出来上がっただけだった。 例えれば、長年に渡ってヅラであることを妻に内緒にしていて、結婚記念日のサプライズでバラしたようなものだ。即離婚である。 逃避やめ 当否問うため 頭皮見せ やかましわ ……くだらない事を考えてしまった。 だが、多少のお茶目は赦して欲しい。 そうでもしないと、俺は虚無感と不安とで押し潰されそうなのだから。 実際に、死にたいとすら思っている。 輝欄のいない世界には何の未練もない。 けれど、だからと言って自殺など出来るのか? いいや、出来ない。 走っている電車へダイブ? 首吊りでヘブンへゴー? リストカットで一人血液噴水? そんな気力が残っていたら、今こうして家のベッドで餓死でもしないかなー、と不貞寝などしない。 つまり、俺の存在は宙に浮いているのだ。 生きる事を望んでいるわけでもなく、また、進んで死ぬわけでもない。 中途半端で、この世から持て余された人間。 それが今の俺、青田輝の姿だった。
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