青田視点1

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しかし、いかに怠惰を貫こうとも逃れられぬのが、生理現象というもの。 現代に育った人は、催した時はトイレに駆け込まなければならない宿命を背負っている。 不貞寝歴一晩の俺には、引き籠もり上級者が習得しているらしい【ペットボトルにお願いします】というスキルなど使えるはずもない。 「チッ」 一階に降りる事への面倒臭さか、くだらない思考をしたことへ向けてか、いまいち判断の付かない舌打ちをし、俺は起き上がる。 関節が若干痛むのを我慢して、携帯で時間を確認した。 六月十六日午前五時を少し過ぎた時間。 学生が土曜日に起きる時間としては早過ぎる。 ……まあ、もう学生ではないが。 にしても、夏だからか日が昇るのが早いな。 カーテンの隙間からは、白澄んだ空が見える。 普段から遅寝遅起きの俺にとっては新鮮なことだった。 ブルブルブルッ、と不意に体が震えた。 そう言えば催していたのだった。 その後、一階に降りた俺はさっさと用を足し、何か飲もうと居間に入った。 冷蔵庫の前で立ち止まる。 いや、待てよ……。このまま何も飲まず食わずで脱水症状にでもなるか…… あくまでも怠惰な死を望むが…… 何だか、それすら阿呆らしく思えてきた。 「くだらねぇ……」 吐き捨てて、結局何も口にせずにその場を後にした。 これから一体どうすればいいのか? 全く思い付かない。 全てを忘れて普通の生活に戻るのか。 再び輝欄が生きていると思い込むのか。 このまま生を終わらせるのか。 色々と考えてはいるのだが、どうにも決めあぐねていた。
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