青田視点1

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簡単に決断できることではないと分かってはいるが、このままでは埒が明かない。 モヤモヤとした霧がかかり、先の見えない未来。 思考の袋小路に入りかけた時、ふと視界の端にある物がとどまった。 テーブルの上に置いてあったのは、見知らぬ封筒。 「なんだ……これ。手紙……?」 その封筒は不気味さを醸し出していた。 封筒自体はいたって普通のものだが、何故テーブルの上に置いてあるのかが分からない。 俺は置いた覚えがない。そして、昨日の朝の時点ではなかったはずだ。 いつの間にかそこに存在していた不気味な封筒。 しかし、どうしてか俺は中身を確認しなければいけない気がした。 「放っておくわけにもいかないしな……」 言い訳のように呟き、慎重に手を伸ばす。 茶封筒には切手も貼ってなければ糊付けもされておらず、通常の配達手段で届けられたのではないと判明する。 (じゃあ、直接届けにきたわけかよ。御丁寧に家の中まで入ってきて……) そら寒くなってきた。 自分が寝ている間に何者かが侵入してきたのかもしれないと考えると、生きた心地がしなかった。 …… 「ふん……、死にたがりのくせに勝手な事を」 自虐し、誰にともなく嘲笑する。 そうだ。今更何を恐れる事がある。 俺にはもう何も残っていないのだから。 例え、封を開けた瞬間に何かしらの毒が漏れだしたとして、構うものか。 思うやいなや、直ぐさま封筒を破った。 中から現れたのは爆薬や細菌などではなく、普通の便箋だった。 なんだよ……拍子抜けだな。 気が抜けたまま便箋に書かれた文に目を通す。
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