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歩きで10分ぐらいのところに、焼肉屋がある。
今日はまだ時間が早いので人がまばらにいる程度。席に座って、食べ物を適当に頼んだ。
「まだかな、まだかな」
お肉が食べたくて待ち焦がれているルイは、フォークを持って、運んでくる方向を見つめる。
「ルイ、行儀よく待っていないとお肉、逃げちゃうわよ」
母がそう言えば、ルイはすぐさまきちんと座り直して、食べ物がやってくるのを待っている。
「お母さん!お父さん!お肉きた!」
運ばれる様子を発見した。
お肉がテーブルに置かれるのを今にもかぶり付きそうなぐらい、じっと見詰めている。
それでも、ちゃんと座っているので、父と母は笑うしかなかった。
「まず、どれから焼く?」
父に聞かれ、焼いて欲しい物を指さす。
「これ!これ焼いて!」
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