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1時間目の授業は、国語。
「それでは、教科書の13ページを開いてください」
先生が言った場所を開くと、[おおかみ]の文字が書いてあった。
母に、字は習っていたので、下手くそだが読み書きは出来る。
「初めは、狼。皆、狼ってどういうイメージがあるかな?」
先生の問いに皆が手をあげていく。
「ん~。じゃあ、霧島くん」
霧島と呼ばれて立ち上がったのは、リョウだった。
「はい!」
少し緊張して固くなっている。
「霧島くんの、狼のイメージはなんですか?」
先生に聞かれて、リョウは答える。
「俺の狼のイメージは、悪者です!」
リョウの言葉を聞いてルイの体が強ばる。
――狼が、悪者?なんで…
ルイは今すぐ逃げ出したかった。逃げれば、楽になれる。そう思ったからだ。
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