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私も 食べられるのかな
そう思って目を瞑る
グオアアアアッ!!
アラガミは雪菜に襲い掛かる
『伏せろ!!』
っ!?
私は不意にそう言われ
反射的に伏せた
目を疑った
絶対強者のあのアラガミが
一瞬にして消えたのだ
眩い光線がアラガミを打ちのめした
大きな銃のような物を抱え、長い青い髪に、ほどよく筋肉が付いた身体。
彼はゆっくり近づいてきた
「おい、立てるか?」
私は気付いたら膝を地面につき、腰を抜かせていた
彼はそっと私に手を差しのべてくれた
「あ、ありがとうございます…」
「礼などいらん。ここはつい先程からアラガミが発生している。何をしている」
「すみません…」
私はお母さん“だったもの”を見つめる
「………」
私はまた現実とぶつかり、泣き崩れた
「……お前の身内か。」
「母親です…ついさっきまで一緒に避難しようとしてたんです…でも……でもッ!!」
地面をたたく
叩いて叩いて
涙が止まらなくて
苦しくなった
「………」
彼はそっと私の前でかがんで、
「ほら、はやくいくぞ」
「え…? 避難所ですか?」
「違う、フェンリルだ」
「…フェンリルってあの…」
フェンリル
人類の最後の希望
アラガミを倒すことは不可能だが、アラガミを一時的に撃退することはできる。
日々研究に研究を重ね、人類の未来を切り開こうと作られた組織
フェンリルは、
対アラガミ部隊
“ゴッドイーター”を開発
アラガミに対抗すべく、特別な細胞を埋め込み、厳しい訓練を積み重ね、日々、日本の安全を保ち続けている
「もしかしてその武器、その格好…あなたはゴッドイーター?」
「あぁ、そうだ。アイシスだ。よろしくな」
「よろしく。って私ほんとにフェンリルへ?」
「母親がああなっちゃ、身寄りもくそもないだろ。面倒みてやる」
彼は優しく笑う
「……」
私はただ ただ泣いてしまっていた
お母さんを失った瞬間
不安や悲しみが一気に襲いかかってきて
どうしたらいいかわからない孤独感のようなものが
一瞬のうちに溢れ出してきた
だから今、アイシスの優しさが
胸に突き刺さり、痛いくらい嬉しかったから
2人はフェンリルへと向かう
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