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20分後
桐「そうか…じゃあ君は一人で今迄頑張ってきたんだな」
俺の身の上を話したらそう言って優しく声を掛けてくれた。
秀「はい…言葉は12歳からこっちで暮らしてたんで何とかなりましたけど仕事は…」
亮「働くとなると大変だったろうね…日本人ってだけで断られたり給料も少なかったりしただろうしね」
藤「外国人ってだけで扱い変わったりするもんね、何処の国でもそうだけどアメリカはまだマシよ」
桐「確かにそうかもしれないけど本人からしたら地獄だろう…経験した人間にしか分からないけどな」
言われたとおりだった。
死んだ方がマシだと思える毎日だった、頑張っても頑張れば日本人のくせに生意気だと言われ従業員のストレスが溜まると俺はよく殴られた。
秀「それでも今日まで耐えてはきましたけどね」
亮「じゃあ今日はなんで反抗したんだい?」
秀「それは…」
そう聞かれて理由を話そうとしたら
赤「……死にたかったから」
先にそう言われてしまった。
桐「嫌になったって訳か…」
秀「はい…昔働いてた所の従業員でよく俺を殴った奴で今日は偶々見つかって」
そう理由を話したら
桐「なるほど……分かった、今日はここに泊まれ、部屋はあるからゆっくりすればいい」
秀「え!い、いやでも悪いですよ!」
驚いてしまって焦ってそう言って断ると椅子から立ち上がって俺の前に来て
桐「同じ日本人だろ?気にしないでゆっくり休めばいいさ…助けるのは当たり前だ」
そう言って俺の頭に手を置いて笑ってくれた。
秀「わ、分かりました」
桐「よし、決定だな…ちょっと待ってろよ?直ぐに案内させるから」
そう言って机の上に置いてある内線を使って人を呼ぶと暫くしてスーツを着た女の人が来て
桐「この子を部屋に案内してくれ」
そう言うと俺に向かってその人が挨拶してきたから俺も挨拶を返して一緒に部屋を出た。
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