2人の出会い

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秀(何だよ…こいつのパンチめちゃくちゃ重てぇ) 膝を地面につけてそう思っていた。 赤「あれで意識飛ばねぇなんてやるな…」 秀「ッ…て、テメェ…」 そう言ってそいつの顔を見上げたらそいつの顔は何故かさっきよりかなしそうに見えた。 赤「俺はお前以上に不幸な奴を知ってる」 秀「えっ…」 赤「けどそいつは必死に生きてる…お前みたいに死にたい時もあったみたいだけど今必死に生きてんだよ」 そう言ってしゃがんで俺の顔を見て 赤「だから死にたいなんて言うな…」 秀「………」 その目を見て俺は何も言えなかった。 赤「……お前俺とくるか?」 秀「えっ?」 赤「怪我…そのままじゃ歩け無いだろ」 秀「怪我ってかお前のパンチが一番効いてんだよ」 赤「お前じゃねぇ…赤田圭佑だ」 そう言って手を俺の前に出して来た。 秀「赤田…なら赤田も俺の名前で呼べよ?」 赤「お前歳幾つだ…」 秀「15だけど」 赤「……俺は18だ、それに俺が名前で呼ぶのは認めた奴と信頼する人だけだ」 そう言われて 秀「ハッ…じゃあ絶対認めさせてやる…」 そう言って出された手を握って立ち上がったら 赤「お前で充分だろ…」 そんな会話をして俺は肩を借りて一緒に歩いていた。 人生を変えた日と 人生を変えるきっかけになった出会いだ。
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