ジャッジメント

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赤「ここだ…」 秀「で、デケェ…」 あるビルの前で立ち止まった俺はそう言っていた。 秀「ほ、ホントにここ?」 赤「いくぞ…」 そう言って赤田は歩き出したから肩を組んでいる俺も一緒にそのビルの中に入って言った。 秀「……広っ」 赤「普通だろ…先に医務室いくぞ」 秀「えっ?」 赤「肩を貸したまんまで上に行くわけにはいかねぇだろ…」 秀「あ、なるほど」 赤「処置が終わったらあのエレベーターで最上階に来い…」 そう言ってエレベーターを指さされたからコクンと頭を下げたら 赤「こっちだ…」 そう言って医務室に連れて行かれた後 赤「先生に悪い所全部見て貰っとけ…先に行ってるぞ」 そう言って赤田さんは医務室を出て行った。 赤「………」 一人でエレベーターに乗って最上階に向かう途中で俺はずっと考えていた。 秀「家族を皆亡くした奴の気持ちなんか」 赤「わかんねぇよな……普通」 そう言ってエレベーター内の鏡を見て 赤「ホント父さんに似てきたな…」 そう言った後でまた 赤「瀧川……俺にもわかんだよ、家族を皆亡くした奴の気持ち…分かりたくも無かった気持ちなのにな…」 そう呟いていたら最上階に着いたから俺はエレベーターを降りていた。 赤(だからあいつだけは…あの男だけは… 絶対に俺の手で殺してやる) そう心の中で思って拳を握っていた。 家族を殺した男の顔を心に浮かべて。
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