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通りを歩いていた2人の横から突如として人影が現れた。
「お前たちだな、街をこんな風にしたのは!」
現れたのは2人の幼い男の子と女の子。男の子の方は震えた手でナイフを握り締めている。
2人とも白い肌と青い髪をしており、褐色の肌に黒髪というこの地方の人々の特徴からは大きく外れる。おそらくは戦争孤児になってここに連れてこられ、再び孤児になったのだ。
「あっはっは!」
真剣な顔をしている2人を見てグラリスは大笑いする。
「な、何がおかしい!」
少年の問いにグラリスは質問で返す。
「君、何歳?」
「そんなこと今はーー」
「何歳?」
再び聞くグラリス。だが2回目は先ほどまでとは違う。つり上がった赤い目で見下ろすように聞くその姿は、それだけで尻餅を付いてしまうほどの威圧感だった。
「は、8歳・・・・・・」
「8歳かぁ・・・・・・その頃には私、たくさん人を殺していたなぁー」
人を殺して来たことを何とも思っていないその口振り。
全身から溢れ出すような殺気に耐えきれず少年は腰を抜かす。
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